輸送時のトラブル

できるだけ安く手に入れたいというのが人情というものだと思いますが、本体価格以外にも輸送費や電気工事費などの必要経費を見込んでおく必要がある他、予想外の出費となることがあります。
前のオーナー様から現状有姿で入手する場合、コンディションの良い機械でも長年蓄積したホコリや裏付き防止のパウダーなどの汚れがあるのが普通です。

油分や湿気を含むんだ汚れは放置すると固着しやすく、正しく機能しなくなる原因になります。
手間のかかる汚れ仕事ですが、DIYでも可能です。

輸送時の振動でネジが緩んだり、部品が壊れる可能性があります。
こちらは昨年、東京から大阪まで運んだハイデルのプラテンの部品です。
輸送時の振動でスプリングロールピンが損傷し、動作不良を起こしていました。
新台の場合と異なり、現状渡しの古い活版機の輸送時のリスクは買主負担が一般的です。

左が新品のピンです。分解して点検すると2か所のピンが折れてバラバラになっていました。

他にも安全ガードのネジ受け2か所が破断していました。
壊れるまでいかなくても、輸送時の振動によってボルト類が緩むことがあります。
据え付け後の運転前に各部の増し締めと動作確認を行いましょう。
予想外の修理に備えて予備費を考えておいてください。

オーバーホールとなると本体価格を上回る費用になりますが、安心して使うことができます。

インキや汚れが固まっているビフォー。
オイルの配管周辺がドロドロで、オイル漏れがあっても気づく事ができそうもありません。
このプレスは箔押し用のユニットが付いていて、電気端子周辺の汚れは不具合を生じさせる可能性があり危険です。

綺麗すっきりアフター。

これで気持ちよく使うことができます。

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